二月十六日

勝ち続けるということは、時に自分たちの実力を計りかねる。

 

一月の初節が終わって、二連勝した後のこと。

 

シーズン前にこのチームで優勝する、このチームなら優勝できると誓って臨んだ初説で勝てた後のこと。

 

勝つということが少し恐ろしく感じたことがあった。

 

もちろん安堵した部分もあるが、その後の数日間は高揚感の方が強かった。なんとなくふわふわしているというか、地に足のつかない感覚だった。

折れ線グラフに例えると、縦軸の数値が表せない感じ。勝ち続けていることで、グラフは確実に上向きに進んでいるのに、現在値がわからない。自分たちがどれだけ強いのか、わからないのだ。次の週、我々は信じられない大差で負けて、現在値を知った。おれは絶望と同時にまた安堵した。

自分たちが何者かを認識することで、また具体的な策を組むことができる。自分たちよりも上の存在を認識することで、やるべきことが見えて来る。

 

もちろんチームとしての目標は変わらない。優勝を目指して戦う。

 

しかしこれは、弱者ゆえの考え方ではないのか。

本当の強者であれば、負ける前に負けを想定できるのだろうか。相手と比べずとも自分を認識できるのだろうか。

 

考えすぎだろうか。