三月七日

試合後のミーティングでコーチが信頼度と各々の熱量の話をしていた。

 

信頼できる選手になってほしい、自信を持ってコートに送り出させてほしいと。コーチの立場を考えれば、勇気を出して言った言葉だったと思う。

 

おれは一体どうなのだろう。

コーチからの信頼は足りているだろうか。満足のいく働きはできているんだろうか。これからも一緒に働きたいと思ってもらえているだろうか。

 

Bリーグが始まって5シーズン、状況はだんだんと変わってきている。トップリーグの年俸は上昇し、外国籍選手もとんでもない奴で溢れている。

それに引っ張られるように下部リーグのレベルも上がっていき、中には若くして引退を強いられる選手も出てきている。

きっとスタッフにも同じ現象が起きているだろう。トップリーグから順々に、椅子取りゲームは始まってる。技術も知識も熱量も仕事量も人格も、どれが欠けてもきっと淘汰される。

常に上の完璧を目指さないと生き残っていけない。

 

サムライズの練習もホームゲームも、たくさんのメディカルスタッフがサポートに来てくれる。人手があるのはありがたい話だ。けれど、時々怖くなる。もし自分に隙があったり、熱量で負けてしまったら、このポストに滑り込みたい人間は少なくない。それだけ周りの目は真剣だ。

 

サポートスタッフだけじゃない。時々コーチや選手の熱量にも気圧されそうになるときがある。ふいに気が抜けて、まずい、と思うことがある。そしてコーチが今日話していたのはきっとこのことだ。このチームの先頭を走っているのは、間違いなく大地。強くなりたい気持ちも、負けたくない気持ちも人一倍強い。そのテンションを基準として、常にそれよりも上にいて準備しないとだめだ。ついていけなければ、このチームではもうやっていけない、信頼なんてしてもらえない。

みんなから信頼されているなら、絶対にそれに最善で応えたい。絶対疲れたなんて言わない。

できるなら、できるだけ長くこのチームでやらせてほしい。

 

 

 

 

あー

 

 

悔し。

 

 

P.S. なかなか気づいてやれず申し訳ない。電話で話してよかった。邪推してたのはおれじゃないか。